2010年08月27日
「荷物は預かれません」。万博開幕中の上海のホテル。チェックアウト後、荷物を預けようとしたら、フロントの従業員から拒否された。荷物に爆弾でも潜んでいたら…ということで、公安当局がホテル側に指導をしているらしい。
万博開幕後、上海のホテルは値上げした。にもかかわらず不快指数は急上昇。ホテルのロビーには目つき鋭い「万博ボランティア」が24時間常駐、チェックイン時には荷物検査を行い、客にも遠慮なく鋭い視線を投げつける。深夜にホテルに戻ると「どこに行くんだ」などと尋問までされた。
万博で、中国は世界各国からの観光客を歓迎する姿勢を強調する。しかしテロを警戒する当局の対応を見ると、「本音では来てほしくないのかも」とも思えてしまう。
万博のテーマは「より良い都市、より良い生活」。徹底した監視で安全を確保する。これが中国にとってより良い都市の姿なのだろうか。 (池田実)