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北京 感性を疑う官製原稿

2011年03月14日

 「胡錦濤国家主席とオバマ米大統領が首脳会談(ニュース用原稿、1月19日)」と、頭書きにあった。これ、先ごろワシントンであった米中首脳会談後、中国外務省が北京からの同行記者向けに配布した資料。

 読めば、資料というより完全に原稿。中国では政府系紙の原稿が一字一句同じことも。なるほど当局が用意する「ニュース用原稿」で新聞が作られていくのか。

 資料では「胡主席は台湾問題は中国の核心的利益だと強調した」の一文も。中国が安全保障問題上、譲れない国家利益を指す「核心的利益」の文言は今回、首脳会談後の共同声明からは消えたが、中国国内には米国への妥協に反発する動きもあり、断固たる姿勢をアピールする必要があったのか。

 帰国後、中国各紙をめくった。共産党機関紙の人民日報や新華社通信などの原稿は、現地で配布された資料とまったく同じ。筆者名だけが違っていた。(朝田憲祐)

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