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ワシントン 自省を迫る原発映画

2011年06月15日

 映画「チャイナ・シンドローム」(1979年公開)のDVDを見た。原子力発電所の事故に居合わせた女性テレビリポーター(ジェーン・フォンダ)が事業者から圧力を受けつつも真相に迫っていく。

 米国の原発がメルトダウン(炉心溶融)を起こしたら、地球の反対側の中国まで溶かしてしまうだろう-。映画の中で学者が語るたとえ話がタイトルとなっているが、映画公開後まもなくスリーマイル島原発で炉心溶融事故が起きただけに当時は「映画が事実となった」と大騒ぎだった。

 だが真相追究は容易ではなかった。「世界各国から集まった400人以上の記者が、みないら立っていた」と、当時危機管理に当たったソーンバーグ元ペンシルベニア州知事。

 中には事実誤認甚だしい報道も。知事は妊婦と就学前幼児に避難勧告を出したが、ある英国メディアは「妊娠中の知事夫人も避難」と報じた。妊娠も避難もでたらめだった。

 あれから32年。東京電力福島第1原発の事故でも世界のメディアが連日、真相に迫ろうとしのぎを削っている。飛び交う専門用語には思わず閉口してしまうこともある。

 映画では最後にリポーターが生中継の最中に真実を引き出したものの感情的なリポートに「客観的ではなかった」と反省する場面がある。うーん。見習わねば。 (岩田仲弘)

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