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北京 “日本向け”やっぱり…

2012年02月10日

 「メード・フォー・ジャパン(Made for Japan)だから、安心・安全ですよ」

 北京のスーパーの野菜売り場。こちらが日本人とみるや、販売員が片言の英語で声をかけてきた。指さしたのは、日本語で「新鮮やさい」と書かれたテープで巻かれたネギ。「日本輸出向けに栽培したもの」とか。隣の中国人客は「日本向けなら農薬規制が厳しいだろうから」と、買い物かごに投げ込んだ。

 「メード・イン・ジャパン」ならぬ、「メード・フォー・ジャパン」。中国で日本向け商品がちょっとした人気となっている。ある衣料品店では、日本語のタグがついた日本ブランドの婦人服や子供服が並ぶ。完全コピーとみられる粗悪品もあるが、そこそこの値段のものは、生地の手触りはよく、縫製もしっかりしている。「輸出から漏れた流れ物です」と店員。いわゆるアウトレットか。

 「やっぱり、やられたみたい」。ある日、買い物から帰ってきた妻が、渋い顔をした。

 くだんのスーパーで、店員が「新鮮やさい」のテープでネギを巻いているのを見てしまったらしい。テープは、何ら管理されることなく小売店などに出回っているのかも。ちょっと得した気分で食していたのは、単なる「メード・フォー・チャイナ」だったのか。 (朝田憲祐)

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