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バンコク 出稼ぎ女性にエール

2012年08月17日

 タイの女性はよく働く。その中でもひときわよく働くのが、「イサーン」と呼ばれるタイ東北部出身の女性たちだ。ラオスやカンボジアに隣接した貧しい地域から10時間近くバスに揺られ、バンコクに出稼ぎに来ている。

 行きつけの日本居酒屋も店員はイサーン出身の若い女の子たち。客に呼ばれたら返事をして笑顔で駆け寄る姿は見ていて気持ちがいい。日本語も片言ながら話し、努力している様子が伝わってくる。

 深夜まで立ちっぱなしで働き、1日の給料は日本円で1000円に及ばない。その中から親に仕送りしたり、弟妹の授業料を支払っているという。

 元気な彼女たちが先日はやけにおとなしかった。尋ねると、昨晩、閉店後に店の女の子同士でディスコに行き、朝方まで飲んで踊って遊び疲れたのだという。住み慣れない都会で友人が少なく昼夜が逆転している生活の中で、楽しみは郷里を同じくする仲間と踊ることなのだろう。

 数人でウイスキーのボトルを2本開けたと聞き、アルコールに強いこと以上に、彼女たちの給料からすれば高価なボトルを、この時とばかり奮発したことに驚いた。時間的にも経済的にも限られてはいるが、自分たちで楽しみを見いだしながら生きていこうとしている姿に共感を覚え、エールを送りたくなった。 (寺岡秀樹)

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