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ウラジオストク 贈り物のメッセージ

2012年12月14日

 ロシア極東ウラジオストクで9月に行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)取材で主会場周辺を歩いていると、プーチン大統領が建物から車に乗り込もうとする場面に遭遇した。距離は約150メートル。撮影のため望遠レンズをカメラに取り付けて焦点を合わせていると、傍らの助手が「狙撃手に狙われている」と言い出した。

 望遠レンズを付けたカメラは、遠目には銃のようにも見える。暗殺者と間違われ、狙撃されても仕方ないというわけだ。たしかに、周辺の建物の屋上には、ライフルを構える2人組があちこちで目立たぬように姿を見せていた。プーチン氏から「やめろ」と無言のメッセージをもらったような気になった。

 そのプーチン氏は、首脳会談で訪れたタジキスタンで今月4日、還暦を迎えたラフモン大統領にロシアの最新ライフルを贈った。タジクでは今年7月、政府高官が殺され、反政府武装勢力への政府の掃討作戦で、42人も死者が出た。贈り物は、政府の後ろにロシアの最新兵器が控えているのをテロリストに知らせるメッセージだったのかもしれない。

 プーチン氏は今月7日に還暦を迎え、各方面から多くの贈り物が寄せられていたのをテレビで見た。政権にとどまって12年余。どんなメッセージが届けられたのだろうか、興味深い。 (原誠司)

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