2014年05月20日
「タナーカ? ターナカ? この発音で正しいかい」。米大リーグ、ヤンキースの本拠地・ニューヨークのヤンキースタジアムで開かれた田中将大投手(25)の入団記者会見場で、後ろの席から声を掛けられた。
声の主はスペインから来た記者。「タナカ」と抑揚を付けず発音するのだと説明すると、「タナカ、タナカ、タナカ」と何度も練習していた。「スペインでも、田中投手は注目されているよ。だってヤンキースだもん」と言う。
スタジアムの高級ラウンジで開かれた会見には、世界中から約300人の報道陣が集まった。人気球団といえど、入団会見にこれほど多くの記者が集まるのは、2003年の松井秀喜氏以来だという。
会場外には、田中投手の出入りを一目見ようとするファンの姿が。マイク・ハムデさん(36)は「田中が松井みたいだったらいいなあ」とつぶやいた。毎回、ファンのサインに応じていた松井氏は、今でもファンのお気に入り。
到着時、ファンを無視して通り過ぎた田中投手。氷点下の屋外で体を震わせていた彼らに、帰りは応えたのだろうか。 (長田弘己)