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上海 大威張りのタクシー

2015年06月05日

 上海で今、一番大威張りなのはタクシー運転手だろう。やっと空車をつかまえても「そんな所には行かないよ」。渋滞にはまると「とんだ客を乗せたもんだ」とブツブツ…。

 常住人口約2400万人余の上海でタクシー5万台弱。絶対数が少ない。だが、運転手に言わせれば「初乗り規定の14元(約280円)が安すぎ、利用客が多すぎる」。

 客が携帯アプリで目的地とチップを通知する呼び出し方法のまん延で、運転手の“売り手市場”は広がるばかり。初乗り区間でチップ20元を提示すれども、ナシのつぶてのことも。路肩に停車している空車の窓をたたいても、運転手の目は携帯画面の好条件探しにクギ付けで、プイと横を向く。

 運転手には「師傅(シーフ)」と呼びかける。技芸を持つ人への尊称だが、機を見るに敏な上海人は、流行言葉で男前を意味する「帥哥(シュワイガー)」とゴマをする。

 かくして、タクシー運転手の増長ぶりは、とどまることを知らぬ。たまの休日…。改善されぬ大気汚染とタクシー争奪の憂鬱(ゆううつ)が、私をだんだんと出無精にしてしまう。(加藤直人)

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