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上海 花粉症に代わる大敵

2018年06月18日

 スギやヒノキの花粉がほとんど飛ばない中国に来て、長年の花粉症との闘いから解放されたと思いきや、今年は上海の街を歩いていても、鼻がむずむずするし、やたらくしゃみが出る。

 昨年の今ごろ、知り合いの医師が「最近、花粉症みたいな症状が出たと、来院する人が増えているんですよ」と話していた。私には関係ないと気に留めなかったが、まさか…。

 テレビで天気予報を見ていたら、「きょうは『綿絮(めんじょ)』がたくさん飛散するので、敏感な人はマスクをした方がいいでしょう」と言っている。

 辞書で調べると「綿の実の繊維」。屋外では小さな白い綿毛がふわふわと漂っている。発生源はキワタノキやプラタナスなど。雪が舞い降りるような光景は、見ていて楽しくなるが、これが犯人だったようだ。

 飛ぶのは4月から6月にかけて。アレルギーを発症し、医師にかかる市民も増えている。福建省泉州市では昨年、綿毛を出す樹木は人通りの多い道路沿いには植えないと決めたという。

 せっかく花粉症から解放されたのに、それに代わる大敵がいたとは。重症にならないうちに予防に努めよう。 (浅井正智)