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中国・武漢 マージャンへの恨み

2020年10月14日

 中国湖北省武漢市の街には閉店した店が目立つ。新型コロナウイルスの経済影響は後を引いているようだ。そんな中、ラーメン店の看板を掲げたままの空き店舗には、マージャン卓が並び、大勢の高齢者が、ジャラジャラと音を立てていた。

 「武漢人は本当に、マージャンが好きで困る」。街を案内してくれたメーカーに勤務する30代の女性は顔をしかめた。彼女が小学生の頃、隣の部屋では夜な夜な大人が集まり遅くまでマージャンの音を立てた。「勉強の邪魔になるから、とお父さんが注意しても、あの人たちは絶対にやめなかった」とマージャンへの恨みは深い。

 新型コロナが深刻なとき、感染リスクが指摘される中でマージャンをしていた人の家に警察官が押し入り、卓をハンマーでたたき壊す映像が出回った。それを見てスカッとしたのではないかと聞くと「警察とマージャン卓を売る会社が手を組んでたんじゃない? どうせまた新しいのを買うでしょ」。

 彼女はマージャンの音は二度と聞きたくないというが、私には武漢人が新型コロナの恐怖から解放されたことを知らせる音にも聞こえた。 (白山泉)

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