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ソウル 待合室で見る高齢化

2019年01月21日

 不覚にも自転車で転倒し、支局近くの応急診療センターに駆け込んだ。何事も「早く早く」の韓国。だが乳児から高齢者までさまざまな症状の人で混雑する緊急外来では、皆が検査や診察の順番をじっと待っていた。

 付き添いは女性がほとんどの中、2人の男性が目についた。男性だからではなく、「国民性」を発揮していたからだ。トイレで転んだ母親を伴った中年男性は何度も看護師に「診察はいつか」と聞き、60歳前後の男性は妻の点滴が終わるや施術室のドアをどんどんたたき、看護師を呼び出そうとした。

 知人の韓国人女性は20年前に初めて日本を訪れたとき、街中に高齢者が多いのに驚いたという。だが気付けば「韓国も同じになっていた」。しかも高齢化のスピードは日本より速い。日本ではすでに男性介護者が珍しくないが、韓国も近いうちに同じ状況になり、付き添いの男性たちも、病院で静かに順番を待つようになるのだろう。

 それにしても「応急」とは名ばかり。縫合し、薬をもらうまでに5時間以上。日本の病院も時間がかかる所には違いないが「早く早く」になじんだ身には少々つらかった。 (境田未緒)

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