2018年04月24日
寒さ厳しいソウルのある夜、繁華街を日本人の友人と歩いていたら「日本の方ですか」と若い女性に声をかけられた。「今日、日本から来たんですが、お金を忘れて」と続く言葉に「怪しい」と思ったが、心優しい友人が足を止め、話を聞いた。
いわく韓国アイドルグループのコンサートのため1人でソウルに来たが、日本で現金を下ろし忘れ、クレジットカードも持っていない。所持金は前回の訪韓時に残っていた2000ウォン(約190円)のみ。1泊2万5000ウォンの宿を予約しているが支払いができず、困り果てて日本人に声をかけ続けていたという。
日本大使館に連絡してみたが、日本からの送金手続きは手伝うが金は貸せないという。土曜の夜で送金も不可能。結局、友人が宿代や食事代として20万ウォンを貸した。「戻ってこなくても仕方がない」と話していたが、金は女性の帰国直後、友人の日本の口座に振り込まれた。
カード社会の韓国で20万ウォンも現金を持ち合わせ、見知らぬ人に貸すような人と出会えていなかったら、彼女はどうなっていただろう。異国ではだれも守ってくれないと考えて準備をしてほしい。 (境田未緒)