【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. 韓国
  5. ソウル 波は鉄道員食堂にも

ソウル 波は鉄道員食堂にも

2023年03月09日

 世界的な物価高の影響で、ソウルの飲食店街でも定番メニューのキムチチゲやピビンバなどの値上がりが続く。昼食で1食1万ウォン(約1050円)以上を使うのが普通になってしまった。

 「日本では500円以下の“ワンコインランチ”をよく食べたが、ソウルでは無理なのか」。ぼやく私に、友人の30代男性会社員が教えてくれた。「最近、公共機関の構内食堂がサラリーマンに人気で、自分も消防庁の食堂によく行く」

 韓国紙で早速、区役所、裁判所などの食堂の比較記事を発見。中でも、韓国鉄道公社の竜山(ヨンサン)駅内の鉄道員食堂が安いと紹介されていたので、訪れてみた。

 日替わり定食の食券を鉄道員は5000ウォン、部外者は5300ウォンで購入し、各自トレーに盛り付ける。ご飯やサラダは食べ放題だったが、おかずのメンチカツやおでんスープはぬるかった。

 日本の社員食堂はもう少しコストパフォーマンスが高い所も多いのではないかと思いつつ、食器を返却。出口付近で、「10月から1食500ウォン値上げした」と書かれた張り紙を見つけた。オアシスとして期待した鉄道員食堂も、やはりインフレの波にさらされていた。 (相坂穣)