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【滋賀】書の3000年の歴史感じて 彦根の滋賀大、中村教授の作品や研究紹介

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 芸術 | 近畿  2023年01月26日

作品を解説する中村教授=彦根市馬場の滋賀大で

作品を解説する中村教授=彦根市馬場の滋賀大で

 書道家で、書道史の研究者でもある滋賀大教育学部の中村史朗教授(62)の企画展「Autograph―中村史朗の書」が、彦根市馬場の滋賀大彦根キャンパス総合研究棟で開かれている。中村教授の書作品や研究内容を全3期に分けて紹介する。

 これまで漢字作品を中心に手がけてきた中村教授。2月27日までの第1期は、篆書(てんしょ)、隷書、草書、楷書と伝統的な書法で制作した10点を展示した。中国の古典を臨書した作品のほか、伝統的な書法を生かして書いた漢字仮名交じりの書が並ぶ。

 中でも、陶磁器を焼く際に炎の具合や釉薬(ゆうやく)中の物質の関係で、予期しない色や文様に変わることを意味する「窯変(ようへん)」と書いた縦約2・3メートル、横約70センチの大型の作品が目を引く。「意図していないところから意外な味が生まれる良さは、書も同じ」と、中村教授が好きな言葉という。

 3月1日~4月27日の第2期では、明治の三筆に数えられる彦根藩出身の書道家、日下部鳴鶴に関する研究内容などを紹介する。5月1日~6月30日の第3期はテーマを「シン・臨書」とし、書道パフォーマンスなど新しいと思われがちな書法と古くからの書法の関連を解説する。

 中村教授は「書にはおよそ3000年の歴史がある。その間、人々は止め、はね、はらいなど、書美を追い求めてきた。歴史の悠久を感じながら見てほしい」と話している。

 観覧無料。展示は平日午前9時~午後5時。2月15日、3月10日、5月16日の午後1時からは、中村教授のギャラリートークがある。

 (形田怜央菜)