ジャンル・エリア : まちおこし | 展示 | 石川 2023年01月26日
金沢市内の回遊性を高めるため、市は昨年11月から新天地商店街(片町2)に設置している、アート作品を使った「突き出し看板」の展示期間を3月まで延長する。実施中の市独自の旅行割引「五感にごちそう金沢冬期宿泊キャンペーン」と連動することで、客足が落ち込む冬期の誘客促進を目指す。 (小川祥)
突き出し看板は、商店街の各店舗の外壁に取り付けられている。市がまちなかでアート作品を展示することで、人々に市内の文化施設や商店街などを訪れてもらおうと、市内に複数展示スペースを設ける私設美術館「KAMU kanazawa」と連携して実施している。
突き出し看板に掲示されているのは、まちなかの空気を印象深く切り取る写真家、森山大道さんが撮影した40点。代表作の振り返る野良犬を写したモノクロ写真「三沢の犬」などの作品が並ぶ。
横浜市から観光に来た会社員女性(26)は「レトロな通りの雰囲気がモノクロ写真でさらに色濃くなっている。写真映えもする」と笑顔でスマートフォンを構えていた。
市によると、突き出し看板の展示は昨年12月末で終了する予定だったが、写真映えを狙った人も訪れており、市は国の支援策「全国旅行支援」や市独自の旅行割引によって来訪する人が増えることを見込み、展示期間を延ばすことにした。
市文化政策課の担当者は「レトロな雰囲気を観光客や市民にぜひ感じてもらい、金沢の文化の重層感を味わってもらいたい」と話している。