フェーリンゲンシュタットの「魔女のシャツ」(3)
2014年9月24日
後日、イプホーフェンの魔女展を見に行った。細長いガラスケースに広げてあった本物の「魔女のシャツ」にはところどころ擦り切れたあとが見える。今から330年ほど前、このシャツを着せられて死刑の判決を受けた女性がいたのだ。おそらく彼女は冤罪だったはず。このようにして魔女として焼き殺されていった女性たちがこのフランケン地方だけで少なくとも3000人はいたという。
☆「魔女のシャツ」(Iphofen のKnauf-Museum 2014.11.2まで展示)
「魔女のシャツ」は想像以上にインパクトがあった。このような負の歴史も私の魔女街道には書き込まれていくが、それはそれ、楽しい魔女の町もたくさんある。次回をお楽しみに。
- 西村佑子(にしむら・ゆうこ)
うお座。早稲田大学大学院修士課程修了。
青山学院大学や成蹊大学の講師を経て、現在はモアビートプロモーションの「ドイツセミナー」講師。
これまでに「グリム童話の魔女たち」展(栃木県いしばし町グリムの館)の企画・監修やドイツ魔女街道ツアーの同行講師、
薬草専門誌に連載記事を掲載するなど、ドイツの魔女と薬草にかかわってきた。
主な著書に『グリム童話の魔女たち』(洋泉社)『ドイツ魔女街道 を旅してみませんか?』(トラベルジャーナル)、
『魔女の薬草箱』『不思議な薬草箱』(いずれも山と溪谷社)、『ドイツメルヘン街道夢街道』(郁文堂)など。