9月半ばになっても、
最高気温30℃超えの日が多く、
35℃を超える日もあったりして、
とにかく残暑が厳しい今日このごろ。
爽やかで、かわいらしい花が見たいなあと、
シラタマホシクサの群生地がある
大高緑地(名古屋市緑区)に出かけました。
↑大高緑地の園内案内図。
総面積が100万平方メートル近くある大高緑地。
とにかく広いので、駐車場が分散しています。
シラタマホシクサの群生が見られる「花木園」は、
デイキャンプ場のある第11駐車場近くにあります。
↑デイキャンプ場に向かって右手にある
階段を下りてしばらく行くと、
明るく開けた草原に出ます。
↑道の左側、何やら柵で囲まれた草むらの中に、
ぼうっと霞のような白い固まりが見えます。
↑ここだけ小さな銀河のように、一面のシラタマホシクサが。
「白玉星草自生観察地 一九八八年起」という看板が立っています。
(『なごやの生物多様性』第4巻によると、
花木園はの面積は約5377平方メートル、
自生地周りは約165平方メートルだそうです)
↑道の反対側にも、種が飛んだのでしょうか、
若干のシラタマホシクサが咲いています。
↑少し近づいてみると、カスミソウの花のようにも見えます。
↑もっと近づいてみると、
花の形がコンペイ糖のようにトゲトゲしく立体的で、
カスミソウとは違うことがよくわかります。
↑さらによく見てみると、
少し平らなUFOみたいな形をしたものや、
もっと厚みのあるボウルみたいになっているものなど、
生育具合によって個性豊か。
↑真上から撮ったところ。
中心部分に向かって渦を巻いている感じが
ホイップクリームみたいで、かわいらしいです。
↑さらにさらによく見てみると、
なんと茎の部分も、ぐるぐるとねじれています。
本当に面白い植物だなあと魅入られてしまいました。
世界に10属1300種あるホシクサ科の植物のうち、
日本固有種は11種存在し、
シラタマホシクサはそのうちの1種。
東海丘陵要素植物の一つで、
自生地は、
愛知県、岐阜県、三重県、静岡県の一部に限られているそうです。
環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されているため、
保護の観点から、
主な自生地では立ち入りが制限されているケースが多いのが実情。
大高緑地の花木園のように自由に見られる場所はなかなかないので、
興味のある方は、ぜひ見に行かれることをお薦めします。
※例年、花は8月中旬ごろから10月上旬まで見られるそうです。
↑直径1センチにも満たない小さな花なのに、
虫たちにも大人気。
写真左は、お食事中のベニシジミさん。
同じく右は、
待ち伏せて捕まえた羽虫をお召し上がり中の
コハナグモさん。
↑第11駐車場側とは反対側にある「花木園」の入り口。
↑掲示板には、「大高緑地湿地の会」による
最新の活動日誌や自然観察会で確認できた生物一覧
などが貼り出されています。
※花木園は小規模な湧水湿地になっており、
2003年からは「大高緑地湿地の会」の方々が
ボランティアで湿地の保全活動を行っていらっしゃいます。
園内ではツクツクボウシの合唱が鳴り響き、
まだまだ夏の名残りがあちこちに見られます。
↑サルスベリ。
まだまだきれいです。
↑小さな池には、スイレンも。
↑ノアズキの花と実。
↑クサギの花と実。
何度見ても、実の青さにびっくりします。
(実は花木園内のものですが、
花はプール近くの道沿いに咲いていたもの。
環境によって生育の速度が違うことを実感しました)
↑色鮮やかなクズの花。
花木園のものは花が終わりかけで、実もできていたのですが、
公園スタッフの方に「管理事務所の西北に大群落がある」
と聞いて行ってみたら、そちらは花盛りでした。
「えーっ、こんなに!?」と声が出てしまうほど、
たくさんのクズの花が見られました。
春先のウメやサクラ、
初夏のハナショウブなどで有名な大高緑地。
派手さはないけど、
夏から秋を彩る花たちも見応えがあります。
スポーツの秋も兼ねて、
今度、時間があるときに、
園内をゆっくりと一周してみたいなと思いました。
取材日:2019年9月14日
大高緑地
名古屋市緑区大高町字高山1-1
TEL:052-622-2281
入園無料(ゴーカートやベビーゴルフ、デイキャンプ場などの利用は有料)。
有料施設や多目的広場、休憩所などは月曜定休。
交通アクセス
○公共交通機関
名鉄名古屋本線「左京山駅」から南西へ徒歩約5分。または、JR東海道本線「大高駅」より南東へ徒歩約15分。
○車
名古屋高速・大高線「笠寺」出口から国道1号経由、南東へ約5キロ。
◎無料駐車場(7:00~19:00)有り。
※第6駐車場のみ8:30~。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。