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コラム 花紀行

愛知県東浦町「於大公園」のシュウメイギク

愛知県東浦町「於大公園」のシュウメイギク

10月下旬、ようやく秋らしい気候になってきました。

やさしい空気をまとった秋の花を見たいなあ、
シュウメイギクはまだ咲いているだろうかと、
ある清々しい晴天の午後、
愛知県東浦町にある「於大公園」を訪ねました。

公園管理事務所で話を聞くと、
「シュウメイギクはもう終わりかけだけど、
 ツワブキがそろそろ咲き始めている」
とのこと。

どちらも、
公園北西にあるオニバス池周辺で見られるとのことで、
早速向かいます。

↑薬草園や梅見の丘を抜けると、
 何やら白い花が固まって咲いているのが見えてきました。

↑もしや、これはシュウメイギク!?

↑やっぱり、シュウメイギクです!
 花びらもたくさん落ちているけど、
 まだまだたくさん咲いてる~!!

↑花の色もきれいだし、
 つぼみもたくさん付いています。

シュウメイギク(秋明菊)は、
名前に菊と付きますがキク科ではなく、
アネモネなどと同じキンポウゲ科。

花色がピンクのものや八重咲きの品種もあり、
漢名では「秋牡丹」と書くそうです。

ふんわりとタックを寄せたように
少し立体的になった花びら(正確にはガク片)や、
気まぐれに伸びる茎、
まん丸のつぼみ、
どれをとっても愛らしく、
見ているだけで心が和みます。

↑「終わりかけ」と聞いて少しがっかりしていましたが、
 これなら大満足です。

気が済んだところで、
オニバス池の周辺を歩いてみました。

↑オニバス池はシーズンオフに入ったようで、
 水が抜かれていました。

↑左の写真は多分、ハマギクの仲間(キク科)。
 葉に光沢があり、ギザギザしています。
 右の写真はタマスダレ(ヒガンバナ科)です。
 すっきりとして、気品のあるたたずまいですね。

↑細長い糸状のものが伸びている花たち。
 左はアゲラタム(別名カッコウアザミ、キク科)。
 右はヒヨドリバナ(キク科)です。
 長く伸びている糸状のものは、めしべのようです。

たまたまなのでしょうか、
白い花が多いように感じます。

↑これはユーフォルビア(トウダイグサ科)の一種で、
 ダイヤモンドフロストだと思われます。
 白い花びらに見えるのは苞(ほう)と呼ばれる葉で、
 中央の小さな固まりが花です。

↑こちらは、スイフヨウ。
 左の赤いのは、花が終わってしぼんだもの。
 真ん中のつぼみは、これから咲く白い花です。
 (スイフヨウは、咲き始めは白く、時間の経過と共に花色が赤く変わる(ほぼ)一日花です)

季節の変わり目ということで、
晩秋の訪れを実感させてくれる植物たちの姿も
見ることができました。

↑咲き始めのツワブキ。

↑ガマズミの赤い実。

↑咲き始めのフユザクラ。

↑「河津桜」の札が付いていたので、
 この花は、季節を間違えた狂い咲きかな。

↑早咲きのツバキ。

↑オニバス池の東側にたたずむ「於大の大楠」。
 かなりの樹齢の木らしく、注連縄がかかっていて、
 手を合わせていく人もいらっしゃいました。
 ※クスノキは「東浦町の木」に制定されており、町内には樹齢数百年のクスノキが何本もあるそうです。

園内には常緑樹が多いようですが、
紅葉が始まっていたり葉が落ちている木も見かけました。

環境の変化や天候不順などによって、
花の時期がずれることも多い昨今ですが、
気候に応じて姿を変えていく植物たちの
愚直なまでのたくましさに、
改めて学ぶものが多さを感じた時間でした。

取材日:2019年10月26日

DATA

於大公園

愛知県知多郡東浦町大字緒川字沙弥田2-1
TEL:0562-84-6166(公園管理事務所)

交通アクセス

○公共交通機関
JR武豊線・緒川駅から南西に徒歩約20分。
○車
知多半島道路・東浦知多ICから東へ約3.5キロ。
※園内に2カ所無料駐車場有り。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。