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コラム 花紀行

名古屋市「庄内緑地」のロウバイ

名古屋市「庄内緑地」のロウバイ

2023年になり、
1月中旬は比較的暖かい日を過ごしましたが、
下旬には「10年に1度レベルの寒波」といわれるほど、
寒さに震える日が続きました。

「寒咲きの花たちは元気にしているかな」という心配と期待を胸に、
「雪中四友」の一つであるロウバイの花を見に、
名古屋市の北西部にある「庄内緑地」へ行ってきました。

47.39ヘクタールという広大な面積を誇る庄内緑地は、
庄内川西岸の遊水地を利用した公園で、
同川の増水時には防災機能を果たします。

通常時は、
豊かな自然の中、
野鳥のいる環境、身近なレジャーや健康づくりの場を提供するなど、
多様な活動の場を育む緑地として多くの市民に親しまれています。

※温室、各種花木園、水鳥池、ボート池、ピクニック広場、ドッグランほか、
スケートボード場、ゲートボール場、テニスコート、陸上競技場など、
さまざまな施設があります。

↑「庄内緑地」入り口は、
地下鉄鶴舞線「庄内緑地公園」駅の2番出口を出て
すぐのところにあります。

↑園内案内図。
向かって右上が北になっているので、
比較的南北に長い形をしています。

↑冬の花の見どころマップ。
園内各所に立てられていて、
冬に楽しめる花の開花期と場所がわかるようになっています。

ロウバイが見られる場所は、
ゲートボール場の北東部と、ピクニック広場の南部の
2カ所あるようです。

まずは、
第1駐車場から近いゲートボール場北東部の方へ。

↑黄色の点描が見えてきました。
ロウバイが植わっている一角です。

↑数えてみたら、25株ほどありました。

↑近づいてみると、爽やかで甘い、い~い香りがします。
元気な黄色の花が弾けるようにたくさん付いていて、
とってもうれしくなりました。

咲き具合いは例年通りで、ちょうど見ごろとのこと。

↑枝にぶら下がるように、ぎっしりと付いた花たち。
「鈴なり」という言葉を思い出します。

ロウバイの原種は、
外花被片が黄色で長楕円形、
内花被片は暗紫色だそうで、
後に園芸品種として、
内花被片も外花被片と同様に黄色のもの(ソシンロウバイ)や、
内花被片の色が淡く外花被片が丸形のもの(マンゲツロウバイ)
などが産出されたそう。

今では交配も進んでいるため、
品種の判別がしにくくなっていますが、
内花被片の色や外花被片の形状の違いで、
何となく◯◯系かなぐらいの認識で見ればいいかな
と思っています。

↑これは内花被片の暗紫色と外花被片の黄色が濃いから、
トウロウバイ系かな。

↑こちらは内花被片の色が淡く覆輪になっており、
外花被片がまるっこく見えるので、
マンゲツロウバイ系かもしれません。

↑これはソシンロウバイ系でしょう。
日光を浴びて半透明に見える花びらは、
本当にロウ細工のようです。

遠目ではみんな黄色で同じような花に見えるのに、
よく見てみるとこんなに違いがあるなんて、
面白いですね。

さて次は、
もう1カ所のロウバイ植栽地点を目指して、
ボート池に隣接するピクニック広場Aの南側の道へ。

↑スポットライトのように陽が当たった一角に、
黄色い点描が。

↑高さ2メートル弱のこぢんまりとしたロウバイが5株。
日当りがいいせいか、よく咲いていました。

ここから北に向かう林道の両脇に、
4~5株ずつの植栽が合わせて4カ所ありましたが、
最初に見つけたところ以外は日陰になっていて、
花はそれほど咲いていませんでした。

↑ピクニック広場Aの南側で見かけた
ロウバイの花たち。

日陰のロウバイも、
「もうすぐ咲くぞ」とつぼみでスタンバイ。

香りとともに、
花のいろいろな表情が見られて、
ロウバイの観賞は本当に楽しいです。

一年で最も寒いといわれる時期ですが、
園内ではほかにも多彩な花たちが
訪れる人の目を楽しませてくれています。

↑まだまだ色鮮やかなサザンカ。

公園スタッフの方のお話では
「今年はサザンカの花もちがいい」とのこと。

園内には随所にサザンカの大木が植わっているのですが、
確かにとってもきれいな状態の花が多かったです。

↑ツバキ園で咲いていた花たち。
左上から右に「太陽」、「淡侘助」、「東天紅」
左下から右に「絵姿」、「白ヤブ」、「玉霞」。

全部で60種以上、約150本が植えられているとのことで、
まだまだつぼみもたくさんあったので、
これからが楽しみです。

↑白い実を付けたセンダン(左)と、コブシのつぼみ(右)。
両方とも10メートルほどありそうな高い木なので、
上から見守っていてくれているようで、頼もしかったです。

↑ボケの花(左)と、十月桜(右)。

日当りのいいところでは、
ボケのように春に咲く花も早めに顔を見せてくれますね
(ほかにも、スイセンやタンポポ、ホトケノザといった春の草花が咲いていました)。

この時期の十月桜は花の数こそ少ないですが、
清らかな白とピンクの花片が青空によく映えて、
爽やかな気分にさせてくれました。

↑水鳥池に集まっていた野鳥たち。
いずれもマガモのようですね。

それぞれ好き勝手に行動しているように見えるのに、
意外とまとまりがあって、見ていてとても面白かったです。
(陸地を楽しげに歩く「ジェイ・ウォーク」も見られました!)

↑真新しい遊具。
園内は段階的にリニューアルを行っている最中のようで、
工事中のところもあれば、
既に新しくなって使えるようになっている
ピカピカの遊具やベンチが点在していました。

緑に彩られた園内はとにかく広く、
歩を進めるごとに興味深い景色に出合えるため、
疲れも忘れて散策を楽しんでしまいました。

ボート池の東側に広がる多目的広場には、
3月下旬の「春の華まつり~ナノハナ・サクラ~」に向けて
大量のナノハナの苗が植えられていました。
まだまだ花芽もついていませんでしたが、
こちらも楽しみです。

感染症には十分気をつけて、
心おきなく花を楽しめる日々が戻りますように。

取材日:2023年1月31日

DATA

庄内緑地

名古屋市西区山田町大字上小田井字敷地3527
TEL:052-503-1010
※入場自由
※庄内緑地グリーンプラザは入館無料
 毎週月曜と毎月第3水曜、年末年始(12月29日~1月3日)休館
※有料施設(室内広場、テニスコート、陸上競技場、ゲートボール場、ボート)あり

交通アクセス

○公共交通機関
地下鉄鶴舞線「庄内緑地公園」下車、2番出口すぐ南。
市バス〈栄11系統〉または〈名駅12系統〉で「庄内橋」下車、西へ徒歩約3分。
◯車
名古屋高速6号清須線「庄内通IC」から北へ約2.2キロ。
名二環「山田西IC」から南へ約2キロ。
※有料駐車場有り。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。