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北京 風物詩は風前の灯?

2009年02月18日

 建設中の中国中央テレビのビルが全焼した事件は、花火が原因だった可能性があるという。北京では1月下旬から2月上旬にかけ、春節(旧正月)を祝う花火が街中でこだました。日ごろ「あれもこれもダメ」の当局がよく許しているものだと思っていた。

 花火といっても日本では職人しか扱えないような代物だ。1000連発の爆竹が「バババン!」と数分間鳴り続け、口径3センチほどの100連発花火がミサイルのように夜空に打ち上げられる。ビルの真横でもお構いなし。火花が建物で跳ね返り、煙が漂う光景はまるで市街戦だ。アパートの窓から花火をバズーカ砲のように放つ人も。

 知人は「昔は、肉を食べ、おもちゃを買ったのは春節だけ。今は花火でも上げないと春節と感じない。共産党だって中止できない」と解説していた。

 北京では1990年代に花火が禁止され、庶民の不満を受けて3年前に再開されたばかり。来年はどうなることか。

 (平岩勇司)