2009年10月20日
1年ぶりに北京に来た。相変わらず空気が悪くのどが痛むが、街は活気にあふれ世界を襲った金融危機の痕跡すら感じられない。
家探しの最中、市の中心部を再開発した新マンション群を見学した。六本木ヒルズの住居棟のような高層マンションが20数棟。約3千戸の大開発だ。すぐ北側にも31階建ての高級マンション。案内してくれた不動産業者は「1戸400万元(6千万円)の部屋を10戸まとめ買いする山西省の炭鉱王もいる」とため息をつく。
一方、駐在員に聞くと、日本の大手企業には、北京に住む家族を帰国させ、今後は家族帯同を認めない社もあるという。鳥インフルエンザなどの影響もあるが、増え続けてきた日本人学校の児童生徒も本年度5%減った。これまで強気の商売をしてきた日系企業が提供する住宅も、賃料を下げている。
一部で明るい兆しが見え始めたが、減収減益が続く日本企業。中国との勢いの差を垣間見た。 (安藤淳)