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ベルリン サソリ潜んであだ花

2010年12月01日

 11月初めの2日間はカトリック信者には特別な日で、先祖の墓に花を手向ける。ベルリンのスーパーマーケットで花を買い求める年配女性を見て思わず立ち止まった。その朝、ある新聞記事を読んだからだ。

 記事によると、亡き父親の誕生日に墓参しようと、スーパーでキクとバラの花束を買った女性が墓前で束を開いた瞬間、手に刺された痛みを感じた。ハチかと思ったが足元には花束から出てきた体長4.5センチのサソリ。慌てて病院へ。見る見る手が腫れあがったが不幸中の幸い、サソリは若く毒も少なかったので助かったというのだ。

 あな恐ろし。目の前の女性に注意を促すのもどうか。「サソリと言ったら、それだけで心臓まひに…」「店に営業妨害と言われるか」。記事はサソリが北アフリカ原産種としているが、どうしてスーパーの花束の中にいたかまでは特定していなかった。(弓削雅人)