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台北 子の命名 時代を映し

2010年12月07日

 子供の命名は時代を反映する。台湾の統計では多い名前は男の子は「承恩」「冠宇」、女の子なら「欣●」「詩涵」。冠宇は王冠のある場所の意味。女の子はドラマのアイドルの名という。男は親の恩を忘れず家の大黒柱になってほしい思いの反映か。

 戦前の日本統治時代に生まれた男は「武雄」や「文雄」など「雄」の字が多い。戦後、中国と対峙(たいじ)し「反攻大陸」を唱えていたころは「志成」「栄華」。「建国」「国慶」も多い。1970年代は「志明」や「志偉」など「志」の字が。80年代になると「家豪」など豊かさを求めている。

 女の子は時代に関係なく「淑」「美」などきれいにかわいく、が親の願いのよう。ただ最近は長じて改名する女性も多いという。実際、大学を出たばかりの知り合いで最近、改名した女性がいる。「なぜ?」と聞いたら、「いい仕事が見つかるように」という。やはり時代を反映する。(迫田勝敏)

●の漢字は左「女」に右「予」