2019年06月21日
以前、この欄にも書いたことがあるが、現在はロシアとウクライナの関係悪化により、空路の直行便は途絶えている。
ベラルーシ経由の飛行機乗り継ぎが最短ルートだが、それぞれが1時間程度の区間を乗り継ぐのは面倒なので今回、ウクライナ出張の機会に初めて列車移動に挑戦してみた。
午後9時にモスクワを出発し、キエフまで約13時間の旅。寝台に横になってみると、朝起きれば、目的地に到着しているこの選択が楽なように思えた。
しかし、甘かったと思い知る。まず午前2時半、ロシアからの出国手続きでたたき起こされる。ウトウトしかけたその3時間後、今度はウクライナの入国手続き。税関職員は客室の天井板まで外し、調べ上げた。終わった頃には空が白んでいた。
キエフで取材相手に列車で来たと伝えると、「大変だったでしょう。未明に2度も起こされるから、高いクラスの寝台を取っても意味ないんですよね」と苦笑された。出国と入国の時間差をもう少し短縮できないかとも思うが、昨今の両国の対立を考えると、調整もできないのだろうと眠い目をこすった。 (栗田晃)