2019年07月16日
ウクライナ出張からモスクワに帰る際、ベラルーシの首都ミンスクの空港を経由した。搭乗時刻を待つ間、免税品売り場の人形が無造作に並べられた棚で、目がクリクリとした愛らしいハリネズミを見つけた。
子どもの土産に、と値札を見ると、200ベラルーシルーブルとある。初めての通貨で見当もつかず、スマートフォンで検索すると、1ベラルーシルーブルは約50円だった。
人形は手のひらサイズで、雑に置かれていたこともあり、頭は「1000円」とはじき出した。娘2人にそれぞれと2つ手に取り、カードで支払った直後、桁が1つ違っていることに気づいた。
1個1万円は、子どもの人形遊びには高価すぎる。レジの女性に確認すると、「手づくりの民芸品なので」との返答。返品は受け付けてないと言われ、冷や汗がどっと出た。
それでも再度お願いすると、「不良品だったことにしましょう」と何とか返品に応じてくれ、ぎりぎりで搭乗時刻にも間に合った。短時間の経由地で、慣れない通貨には注意すべきだという教訓を得るとともに、親切な女性のおかげで忘れられない思い出になった。 (栗田晃)