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ワシントン すぐ複製 合鍵自販機

2019年07月22日

 スーパーマーケットの出口付近に「COPY KEYS」と書かれた黄色と黒のボックスがあるのをよく見かける。日本ではまず見かけない、合鍵の自動販売機だ。家族用の合鍵が欲しかったので試しに使ってみた。

 まず狭い穴に、恐る恐るぐいっと鍵を差し込むと、形状がスキャンされる。素材やデザインで8~10ドルと値段に幅があり、とりあえず一番安い基本タイプを選択。後はクレジットカードを通すだけ。「ウィ~ン、ガッ、ガッ」と歯の治療にも似た削り音が響き、ものの2分で金色の鍵が「チャリーン」と取り出し口に落ちてきた。

 大事な鍵があまりに簡単に複製できてしまい、何とも言えない複雑な気分になる。それでも、次にデザインの違うタイプを作ってみることにした。

 今度は、住所を入力するように求められた。特殊な形の場合、2、3日後に指定場所に届けられる仕組みらしい。「鍵のデータと住所をセットで教えるのか…」。自宅住所を入力する気にはとてもなれず、職場に届けてもらうことにした。すると画面にはこう表示されていた。「100パーセントのご満足を保証します」 (金杉貴雄)