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ワシントン 鍵を握る再発防止策

2020年08月05日

 先日、外から帰宅し、ワシントンの自宅アパートのエレベーターに乗った。自室のフロアで扉が開いた時に鍵を落としてしまい、扉とのわずかな隙間に鍵が吸い込まれてしまった。

 鍵が溝に落ちていく瞬間はスローモーションのように見え、慌てて手を伸ばしたが、間に合わなかった。ぼうぜんとしつつ、ふと昔の記憶がよみがえった。20代の頃、駅前に自転車を止める時に鍵を落とし、網の目状の側溝のふたに吸い込まれた。当時と同じ、どうしようもないむなしい気持ちだ。

 管理人に相談し、スペアキーを借り、落とした鍵は次のエレベーターの定期点検で捜すことに。だが、新型コロナウイルス騒動で定期点検は中止なり、私の鍵はしばらくエレベーターのどこかに眠ったままだ。

 自分でも恥ずかしいが、鍵のトラブルは多い。数カ月前も帰宅した時、鍵が見当たらず「どこかで落としたかな」と慌てていると、自室の鍵穴に刺さったままになっていた。出がけに考えごとをして、鍵を抜くのを忘れてしまったようだ。その都度、自分なりに再発防止策を考えてはいるのだが…。

 (白石亘)