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独ドレスデン まだら模様が語るもの

2019年08月23日

 週末、ドイツ東部ドレスデンに足を延ばした。ベルリンから南へ電車で約2時間。「エルベ川の真珠」とも呼ばれ、美しい景観で知られる。

 街を一望しようと、旧市街の聖母教会へ。上部に上がる途中、内装が割と新しいことに違和感を覚えた。それもそのはず、教会の再建が完了したのは2005年だからだ。

 ドレスデンは第2次世界大戦末期の1945年2月、英米軍の大規模空襲を受け、約2万5000人が犠牲になった。教会をはじめ街の大半が廃虚と化した。

 教会は東西ドイツ統一後に再建が本格化。18世紀初頭の図面を基に、保存されていたがれきを、できる限り忠実に組み合わせて修復された。そのため外壁は黒くすすけた石と新しい石とがまだらになっている。

 同様に多くの歴史的建築物が再建され、いったんは世界遺産にも登録された。しかし、09年に登録を抹消された。渋滞緩和のためにエルベ川に架けられた橋が理由だった。

 景観保護と利便性の両立は難しい問題だが、大切に守っていかなければならないものは何なのかを教会のまだら模様の壁が教えてくれた。 (近藤晶)

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