2019年11月15日
ワインといえばフランス? イタリア? いやいや、スイスも隠れた銘醸地。7月18日から8月11日まで、南西部のレマン湖畔ブベイで20年ぶりにワインの祭典「フェット・デ・ビニュロン」が開かれていると聞き、さっそく訪れた。
祭りの起源は17世紀にさかのぼる。ブドウ栽培とワイン造りの伝統をたたえた開催は過去100年で4回だけ。前回は1999年だった。期間中約100万人が訪れ、今年は2万人収容のアリーナを建設。連日、ブドウ栽培の物語などを地元のダンサーやミュージシャンらが披露する。
電車を降りると、駅前は祭りムード一色。街中はグラスを手に、陽気な人であふれていた。アリーナ周辺には仮設のワイン売り場や試飲会場、飲食店が並び、皆思い思いに楽しんでいた。
ただ、祭りでは今夏の異常気象を心配する声も。スイスではワインに90品種のブドウを使っているが「在来種は(暑さへの)耐性があまり強くない」とワイン流通会社の女性は言う。「約20年後の祭りで飲める味わいは、今回と違うでしょう」と聞き、ついついグラスを重ねてしまった。 (竹田佳彦)