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ベルリン 超監視国家の遺物

2020年02月14日

 ベルリンにあるシュタージ博物館のワークショップに参加した。シュタージは旧東ドイツの秘密警察。正式名称は国家保安省といい、一党独裁体制を維持するため、外国のスパイや国内の反体制派を監視していた。

 ベルリンの壁が崩壊した1989年の時点で、約9万人の正規職員以外に、市民の中に約17万人の非公式協力者を抱え、活動は詳細に記録されていた。

 かつての本部は博物館になり、いまも大量の文書を厳重に保管する。ヒンヤリとした保管庫に入ると、キャビネットには黄ばんだ文書がぎっしり。直線にすると111キロメートルにもなるという、その量に戦慄(せんりつ)した。

 ほかにも断片化された文書を詰めた袋が1万5500袋ある。壁崩壊の直前、シュタージが証拠隠滅を図ろうとしたためだ。連邦シュタージ文書管理局は95年から手作業で復元を進め、現在はITソフトを使ってスピード化を図っている。

 膨大な数のジグソーパズルをつなぎ合わせるような作業だが、「新たな記録が発見されることもある」と文書管理局の担当者。超監視国家の遺物には、未知の事実が埋もれているかもしれない。 (近藤晶)

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