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韓国・順天 着こなせない?制服

2020年02月13日

 ウン十年ぶりに高校の制服を着た。韓国南部・順天(スンチョン)の「ドラマ撮影地」。その一角で1970年代の制服が貸し出されていた。最近のレトロブームで韓国の観光地では昔の制服のレンタルが増え、中高年は懐かしさ、若者は目新しさで写真撮影などを楽しんでいる。

 大きな白襟がついた濃紺のブレザーにフレアスカート、詰め襟などが並ぶ中、目立っていたのが白黒の唐草模様のような服。今はほとんどの高校でなくなった、銃剣術や救護法を学ぶ「教練」の授業用という。

 韓国の中高校では80年代前半、服装が自由化された。生徒の個性を尊重する趣旨で、制服は日本の植民地支配の名残だとする声もあった。だが風紀が乱れたなどとして数年で復活。学校ごとにデザインを競い合うようになり最近は、女子生徒のジャケットやスカートがスリムすぎると問題になっている。

 昔の街並みが再現された撮影地を同行者らと制服姿で一回りして外に出ると、現代の女子高生らが制服で歩いていた。タイトなシャツにミニスカート。2010年代がレトロになっても中高年が懐かしんで着るのは難しそうだ。 (境田未緒)