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米ミスティック 店舗再開で尊さ実感

2020年09月09日

 気の毒なほどの忙しさだった。食器や残飯を片づけた後、テーブルだけでなく椅子にまで消毒剤を吹き掛け、くまなく拭く。「ガシャン」。その横で別の店員がプラスチック箱を落としてしまい、グラスや皿が割れた。「すみません。ゴム手袋を着けていると、手が滑って…」

 米東部コネティカット州ミスティックのピザレストラン。新型コロナウイルス対策で屋外営業すら認められなかった飲食店が少しずつ再開しているが、そこで働く人々にとって手間も勝手も以前とは相当違うようだ。

 新型ウイルス禍をきっかけに実店舗営業など対面型の商売が衰退し、インターネットなどのデジタル技術を駆使したバーチャル(仮想的)な経済活動への移行が加速するといわれる。実際、米国ではアマゾン・コムなどネット通販の需要が増す一方、百貨店など旧来型小売業の経営難に拍車が掛かっている。

 わが身を振り返っても、この数カ月間でネット通販や宅配サービスへの依存度が高まったのは明らかだ。仕方ないのかもしれないが、それが見失わせるものがある。労働の尊さも一つだろう。久々の外食を楽しませてもらい、思った。(赤川肇)

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