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バンコク 果物の王様に二の足

2021年07月07日

 奥に進んでいくと、異なる甘い香りが鼻をくすぐった。カートに山積みされた赤やオレンジ、緑が目に鮮やか。バンコク郊外にある国内最大規模の青果市場に、取材帰りに寄り道した。

 1年中、果物が豊富なタイだが、本格的な雨期到来前の時期は特ににぎやかだ。今年は新型コロナウイルス禍の制限で、日本で人気のマンゴーが大量に滞留し大きく値崩れ。品種や大きさによるが、路上の売店で20バーツ(70円)出せば甘さも十分。しかし、タイ人の知人に報告しても素っ気ない。「タイ人が好きなのはトゥリアンだ」と。

 「果物の王様」ドリアンのことだが、独特のにおいと風味と食感で好き嫌いが分かれる。酒類など合食禁が多く食べ過ぎも禁物。「日本人にはうけないね。食べる前から敬遠する」。卸売り30年以上のウィンさん(66)は気の毒だと言いたげだ。

 国内消費も輸出も堅調で、コロナ禍もどこ吹く風。近年「爆買い」ブームの中国が輸出の8割を押さえ、価格も売り上げも右肩上がりという。手が届くうちに堪能したいと思う半面、かつて一口で断念した記憶も。踏ん切れないまま、旬が終わりを迎えていく。 (岩崎健太朗)

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