2021年07月26日

　「高い所から物を投げるのは危険です」。最近、北京の弊社中国総局の入るビル入り口に、窓からごみを投げないよう呼び掛ける注意書きが張られた。

　中国では近年、ビルや高層マンションからごみなどを投げ、下にいた人がけがをする事件が相次ぎ社会問題化している。数年前からは各地で、高層階から物を投げる行為に罰則を科す条例制定の動きが進み、高層階からのポイ捨てを専用で見張る監視カメラも登場した。

　「高層マンションの下を歩くのが怖いから、取り締まりに賛成」と知人女性（２８）。それにしても、なぜ高層階から物を投げる人がいるのか。女性は「個人的推測」とした上で、「規制が緩い田舎では、自宅の窓からごみを投げ捨てる人が少なくなかった。都市の高層マンションに引っ越しても、習慣で投げ捨ててしまうのでは」と分析する。

　またもうひとつ、予想外の理由も。「特に女性だけど、夫婦げんかでかっとなって近くの物を投げる人がいる。運悪く窓から出たら大変なことになる」。そもそもけんかで物を投げるのはだめだが、「高層階では特に厳禁」と呼び掛けた方がいいのかもしれない。　（坪井千隼）