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北京 故郷の味 妥協できず

2021年09月07日

 地方出身者と知り合いになれば、次はその地方料理の店で食事しましょう、となるのは自然だろう。だがそれがいい結果になるとは限らないようだ。

 安徽省出身者と知り合い、その人の職場近くに新しくできたという安徽料理店に行くことになった。安徽料理は中国の八大料理の1つ。「発酵食品が多く、強い臭いが特徴です」と説明されていた通り、店内に入ると何かの発酵臭が漂う。

 「臭桂魚」は、発酵させた魚を揚げて煮るという手間ひまの末にできる。「独特」としか形容しがたい臭いは隠し味程度に抑えられ、コッテリとした味が尾を引く。「毛豆腐」は白いカビで覆われた豆腐だ。台湾などで有名な「臭豆腐」とも異なる臭み。チーズのような濃厚な味わいに、唐辛子のタレがアクセントになって癖になりそうだ。

 ところが同席者は気に入らないらしい。「本場の味ではない」「本来の料理法ではない」などと言う。思い入れの強いふるさとの料理だけに、北京人の舌に合わせた味に妥協できないのだろう。私は初めての味を大いに楽しめたが、残念そうな同席者の表情に、こちらも残念な気分になった。 (中沢穣)

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