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北京 「頑張れ」に力もらう

2023年01月05日

 北京は8月下旬から朝晩が涼しくなり、1年で最も良い季節とされる秋を迎えた。湿度も低いため時折吹く風は心地よく、早朝のジョギングでは、気持ち良く汗がかける。

 空気の心地よさに加えて、同好者からの声がけに励まされることが増えた。擦れ違いざまに「頑張れ(加油)」とあいさつされたり、自転車で出勤途上の人から「頑張って」と声を掛けられたりしたこともある。

 先日は信号待ちの際、リュックを背負って走る男性から「毎日走っているの」と呼びかけられた。出勤を兼ねてジョギングするというこの男性。しばらく並走した後、「私はここから地下鉄に乗りますから」と去って行った。日本ではマラソン大会を除いて、見知らぬ人から応援されることがまずないだけに、驚きつつもうれしくなった。

 とはいえ、1番多い「声がけ」はクラクション。出勤で急ぐ自転車やデリバリーの電動バイクに加え、9月からは学校に子どもを送る乗用車や電動ミニカーも増え、のんびり走っていると、邪魔者扱いされかねない。それだけに「頑張れ」のひと言が、心身ともにほぐす清涼剤になっている。 (新貝憲弘)