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宮古島

宮古島 沖縄県 青い海 ウミガメと遊ぶ

シュノーケリングツアーで海に入ってすぐに遭遇したウミガメ

シュノーケリングツアーで海に入ってすぐに遭遇したウミガメ

 宮古島(沖縄県宮古島市)の海でのウミガメとの出合いは、この夏最高の感動体験だった。

 それを「竜宮城に迷い込んだみたい」と表現するようでは自分の年が知れるかもしれない。一緒に海に入った娘(29)はうれしそうに「クラッシュだ」。東京ディズニーシー(千葉県浦安市)のアトラクションの一つ「タートル・トーク」に登場するキャラクターで、ウミガメがモデルだ。

 日焼けした肌がまぶしい女性ガイド(24)は「そうね」と答え、「アオウミガメで、まだ子どもだけれど」と続けた。それは体長50センチほどと小さめでも存在感は圧倒的だった。

 ここには絶滅が危惧されるウミガメ7種のうち、タイマイ、アカウミガメ、アオウミガメの3種が生息する。至る所にその姿があり、多くの業者がシュノーケルやダイビングによる高確率の出合いをアピールする。

 そうした中で選んだのが「シュノーケル専門店 海umi」だった。「ショップ開店以来、遭遇率100%」のうたい文句が決め手になった。自由に泳ぎ回る野生のウミガメ相手になぜ「絶対」と言えるのか。聞けば、豊富な経験と入念な観察にその秘密があるらしい。

 事務所は、島内の複合リゾート施設で最大規模の面積を誇る南西楽園リゾート(シギラリゾート)を望む高台にあった。水着に着替えた後、マスクやフィンなどの道具一式を借りて、近くのビーチへと向かった。

 潮の香り、磯のたまりのきれいな小魚に、いやが上にも気分が高揚する。やがて女性ガイドの掛け声で海に入る。海水温も適度で「これはいい」と思ううちに、「いました」の声を耳にする。ウミガメだ。

 人に慣れているからだろうか、驚いて逃げるということはない。スイスイと泳ぐ姿に夢中になって水中カメラを向ける。追跡は30分ほど続き、いつしか随分、沖に出たことに気づいて別れを告げる。

 帰りはカラフルな魚の群れとの交歓が待っていた。サンゴの背後ではカクレクマノミが見え隠れする。これも、東京ディズニーシーの「ニモ&フレンズ・シーライダー」に登場するキャラクター「ニモ」のモデルだと娘から教わった。

パラセーリングでの上空からの景色は壮観

パラセーリングでの上空からの景色は壮観

 そうした海中での感動体験の翌日は、空中散歩としゃれこんだ。「パラセーリングショップ空人(そらびと)」が催行するツアーで、市街地近くのマリーナが集合場所だった。プレジャーボートで沖に出て、準備が整うと、一気に大空へ舞った。

 ブランコに乗るような感覚とはいえ、高度は100メートル以上に達するだけに少し緊張感が伴う。装着したトランシーバーに随時、状況確認の連絡が入る。

 下方では、プレジャーボートが青い海に白い航跡を美しく描く。青い空との境目のあたりに伊良部大橋がくっきりと浮かぶ。壮観は10分間ほど続いた後、降下が始まった。

居酒屋「郷家」でのライブで三線を奏でる真也よう子さん=いずれも沖縄県宮古島市で

居酒屋「郷家」でのライブで三線を奏でる真也よう子さん=いずれも沖縄県宮古島市で

 そして、昼間と並ぶ思い出となったのが居酒屋での三線(さんしん)ライブだった。滞在中連夜あちこちに繰り出す中、最終日に訪ねたのが「泡盛と沖縄料理 郷家(ごーや)」。演者の真也よう子さんとは初日の晩に別の店で会って以来、2度目の対面となった。

 軽妙な語りをはさみ、「島唄」や「三線の花」を情感たっぷりに弾き語る。「オジー自慢のオリオンビール」に大盛り上がり。「島人(しまんちゅ)ぬ宝」や「涙(なだ)そうそう」など娘のリクエストにも応えてくれた。

 客席と一体となった踊りを含めて1時間近い舞台の後には心地よい余韻が漂う。最後にいただいた名刺の裏には「こうして巡り合えた奇跡に心から感謝」と記してあった。

 文・写真 木村昭彦

(2019年8月23日 夕刊)

メモ

◆交通
羽田空港、中部国際空港などから直行便がある。
島内の移動はレンタカーが便利で、3~4時間あれば一周できる。
周辺の伊良部島、池間島、来間(くりま)島へは長大な橋が架かる。

◆問い合わせ
海umiのウミガメと泳ぐシュノーケリングツアーは1日3回開催。
6500円。
少人数制で、5人以上のグループは追加負担なしで貸し切りにできる。
電080(6488)3850。
空人のパラセーリングは1日6回出航。
1人乗り8000円、2~3人乗り7000円。
電080(3954)4996。
郷家の三線ライブは午後7時半から。
チャージ料388円。
電0980(74)2358

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