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【石川】金沢の茶道 支えた逸品 中村記念美術館 大樋焼、寒雉釜の特別展

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 歴史 | 石川  2019年10月01日

江戸時代から現代までの大樋焼や寒雉釜など茶道具を並べた特別展=金沢市中村記念美術館で

江戸時代から現代までの大樋焼や寒雉釜など茶道具を並べた特別展=金沢市中村記念美術館で

 江戸時代から続く大樋焼や寒雉釜といった茶道具が並ぶ特別展「金沢の茶の湯」が金沢市中村記念美術館で開かれている。20日まで。

 陶芸家の初代大樋長左衛門と釜師の宮崎寒雉の作品を中心に、60点を展示している。2人は1650年ごろから加賀藩に仕えた茶人、仙叟宗室の指導を受け、現在に続く金沢の茶道の礎を築いた。

 大樋焼は、あめ色の釉薬(ゆうやく)が特徴。会場には仙叟が好んだ渦模様が付いた茶わんや、エビの飾り耳が付いた花入れが並ぶ。

 寒雉釜は、表面が粗く、わびた雰囲気を醸す。千利休が好んだ「雲龍釜」のほか、にぎり飯を題材にした三角形の「焼飯釜」などユニークな作品もある。仙叟が初代寒雉に宛てた手書きの注文書も展示している。

 特別展は、中村記念美術館の新館開館30周年を記念して開催。山本知行館長は「さまざまな時代の作品が一堂に会しているので、金沢の茶の湯の歴史に思いをはせてもらえれば」と話している。 (戎野文菜)