ジャンル・エリア : 富山 | 文化 | 歴史 | 芸術 2019年12月26日
南砺市教委は25日、室町時代末期の「白山曼荼羅(まんだら)」など五箇山の白山宮(同市上梨)の信仰関係資料25件69点を市文化財に指定したと発表した。指定は24日付。
白山宮は五箇山の白山信仰の拠点の1つ。肉筆の白山曼荼羅は石川、福井、岐阜の三県の山麓の寺社に16点が伝わっているが、富山県では初確認。昨年5月に地元の旧家から見つかった。神仏が一緒に描かれているのに加え、美濃側の山麓までが描写され、他に類例がない。
このほか、木彫の平安時代の地蔵菩薩(ぼさつ)座像、室町時代の随神座像、狛犬(こまいぬ)各一対、銅版を打ち出して作った懸仏(かけぼとけ)など。祭祀(さいし)具、奉納品を含め、中世からの信仰の歴史がうかがえる。
白山宮関連では本殿(国重要文化財)、本堂を覆う鞘(さや)堂(国登録有形文化財)に次ぐ文化財指定。いずれも上梨区所有で、この日、松本謙一教育長が同宮舞殿で沼前三樹雄区長に指定書を手渡した。
今回の指定文化財は鞘堂で一部見学できる。白山曼荼羅は33年に一度の例大祭(ことし5月に実施)で開帳する。(山森保)