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【滋賀】新装、県立琵琶湖博物館 10日にグランドオープン

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 生き物 | 近畿  2020年10月09日

化石から復元した半身半骨のツダンスキーゾウの標本=県立琵琶湖博物館のA展示室で

化石から復元した半身半骨のツダンスキーゾウの標本=県立琵琶湖博物館のA展示室で

 県立琵琶湖博物館(草津市下物町)は、これまで3期6年にわたったリニューアル工事が完了し、10日にグランドオープンする。3Dプリンターで精密に再現した古代ゾウの標本や、江戸時代に使われていた丸子船の当時の姿がAR技術でタブレット端末で見られる展示などが新たに加わり、体感できる博物館に生まれ変わった。同日午前11時からセレモニーを開催し、同40分ごろから新しくなった二つの展示室を公開する。 (岡屋京佑)

 1996年に開館した同館は、琵琶湖の自然と人とのつながりをテーマにし、水族館のように淡水生物を鑑賞できる大型水槽を備え、人気を博してきた。しかし、開館2年目をピークに入場者数は減少傾向に。そこで、幅広い世代が楽しめる展示を目指して2015年から3期に分け、計約29億円をかけて改装工事をしてきた。

 3期目にあたる今回の改装では、A、Bの2つの展示室を一新した。開館以来の研究成果を反映し、触ったりにおいをかいだりできる体感型の展示を充実。既に改装・公開されたC展示室と合わせ、琵琶湖の過去から未来への移り変わりが感じられる一連の展示が、完成した。

最新の研究をもとに姿を復元した、琵琶湖周辺に生息していたワニの標本=県立琵琶湖博物館のA展示室で

最新の研究をもとに姿を復元した、琵琶湖周辺に生息していたワニの標本=県立琵琶湖博物館のA展示室で

 琵琶湖の生い立ちを探るA展示室へ入ると、高さ4メートルに達する巨大な「ツダンスキーゾウ」の復元標本が目に飛び込む。約180万年前に琵琶湖周辺に生息し、同じく復元標本が展示されている「アケボノゾウ」の祖先とされており、化石をもとに復元した骨格標本に、3Dプリンターで再現した体の表面を取り付け、「半身半骨」の姿とした。

 最新の研究成果として興味を引くのが、ビワマスなどの固有種の進化をたどる展示。DNAを調べた結果、ビワマスやビワコオオナマズは琵琶湖が現在の形になる前に誕生していたことを紹介し、琵琶湖で生き続けてきた生物の長い歴史を感じることができる。

 B展示室は、琵琶湖周辺の自然と人とが、どのように関わってきたかを紹介する。現存が珍しい縄文時代の木器や、昭和期に実際に使われた漁具など、人々の暮らしが分かる貴重な史料を展示。中央でひときわ目を引く祭祀(さいし)の道具は、地域住民と新たに制作した。

漁具「エビタツベ」を使ってスジエビなどを捕る漁の様子を再現した展示=県立琵琶湖博物館のB展示室で

漁具「エビタツベ」を使ってスジエビなどを捕る漁の様子を再現した展示=県立琵琶湖博物館のB展示室で

 以前から展示されていた丸子船は、AR技術による新たな楽しみ方を用意。タブレット端末を船にかざすと、船が帆を張り出航する様子が映し出される。

 改装にあたっては、障害がある当事者や介助者でつくる「ユニバーサルデザイン評価会議」を開催。車いすでも展示が見やすいように鏡を設置するなど、誰もが展示を楽しめるようにした。

 リニューアルで期待されるのは、来館者数の増加だ。ただ、新型コロナウイルス対策のため、入館は事前予約制とし、触れたり密室になるような一部の展示は、休止を続ける。一気に来館者を増やすことは難しい状況だが、これまでの部分改装では、来館者が増加していた。高橋啓一館長は「『こんなに琵琶湖って面白いんだ』と体感できる展示にできた。多くの方に来場頂き、研究成果を楽しんでほしい」と話している。

 入館の事前予約は、同博物館のホームページで受け付ける。館内では、マスクの着用が必要。

展示された丸子船を写すと、船が帆を張り出航する映像を見られる端末=県立琵琶湖博物館のB展示室で

展示された丸子船を写すと、船が帆を張り出航する映像を見られる端末=県立琵琶湖博物館のB展示室で

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