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【愛知】平安から江戸期の歴史薫る茶道具 名古屋・桑山美術館で所蔵品展

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 愛知 | 歴史  2022年09月14日

館を代表する茶道具が並ぶ会場=名古屋市昭和区山中町2の桑山美術館で

館を代表する茶道具が並ぶ会場=名古屋市昭和区山中町2の桑山美術館で

 日本画や茶道具を収蔵する「桑山美術館」(名古屋市昭和区山中町2)で、所蔵茶道具展「『桑山美術館所蔵品選』より」(中日新聞社後援)が開かれている。12月4日まで。 (芝野享平)

 館が2000年に発行した開館20周年記念の図録「桑山美術館所蔵品選」で掲載されている館を代表する茶器を中心に61点を展示。平安時代後期~江戸時代後期に制作された掛け物や花入れ、茶器などが集まった。

 主な展示品の一つが、室町時代中期の連歌師で歌人の牡丹花肖柏(ぼたんかしょうはく)が和歌をしたためた懐紙。神事や祭礼、参詣の際に詠む神祇歌(じんぎか)が、美しい濃墨で伸びやかに書かれている。桃山時代に作られた黄瀬戸の茶わんは薄手に仕上げられ、外側にタンパン(銅緑釉(どうりょくゆう))で描かれた草の文様が内側に抜けて緑色がにじんだ「抜けタンパン」が見られる。

 学芸員の前田明美さんは「館の代表作を大まかに理解してもらい、この茶器を使うならどの季節にするかなど、いろいろ想像してもらえれば」と話す。

 入館料は一般500円など。休館は月曜(祝日は開館)と祝日の翌日。10月30日と11月12日にギャラリートークがあるほか、11月3日には陶芸や木工などの現代作家4人がお点前を披露する茶会を開く。いずれも予約が必要。(問)桑山美術館=052(763)5188