ジャンル・エリア : グルメ | 石川 | 神社・仏閣 2022年10月27日
先週からお伝えする金沢のお神社さんぽ、おみやげ品も買いたいな。そんな折には、近江町市場と道路をはさんで反対側にあるデパート「金沢エムザ」へ行こう。こちらの「黒門小路」はお菓子に酒、海鮮、工芸品など、石川県の名産品をずらりとそろえる。
お買い物を楽しんだ後は、そろそろ昼ごはん。もう一度尾山神社かいわいに戻ろう。大通りから少し中に入ると、尾山神社前商店街というのがあり、焼きたてパンが地元の人に人気の「COYA(コヤ).」や熱心な常連の多いラーメンの「平和軒」が私のお勧めだ。
おなかいっぱいになったらまた少し歩こう。金沢市内はあちこちに用水が流れていてその流れを見ているだけでもたいへん気持ちがいい。
中でもお勧めしたいのが、繁華街の「香林坊」の裏手を流れる鞍月(くらつき)用水。その流れに沿って商店街が延びている。「せせらぎ通り商店街」だ。
若い人に人気のビストロをはじめ個性的なお店が並んでいる一角、少しだけ古びた、けれど印象的な内観の建物がある。「オヨヨ書林せせらぎ通り店」がそれ。
毎週月曜の本紙朝刊で掲載する「中日こども文庫」で、すばらしい本の数々を教えてくれている佐々木奈津さんが店長をしている古書店だ。
建物は1917(大正6)年築。鉄工所やクリーニング店として使われていたとか。ここを目当てに来る観光客もいるほどの人気で、「新聞を読んでます、とおっしゃってくださる方もいます」と少し照れくさそうな佐々木さん。文章も人柄もすてきな人。
このお店のすぐ近くには、用水を渡って参拝する神社がある。貴船明神だ。
京都市の有名な貴船神社の末社とされるが、参拝の仕方によっては縁結びにも縁切りにも御利益があるのだそう。間違えないよう気を付けて。
楽しく歩くうち、もう日が沈みかけている。晩ごはんはあの店にしようか。「金沢 焼肉きたじま」。洗練された設計の店内で、シェフが全国各地から選び抜いたおいしいお肉が食べられる店。1日歩いた疲れの回復には、うってつけのメニューかも。
5月にもご紹介した金沢をまた訪れたのには訳がある。
現在は東京から金沢までの北陸新幹線が、2024年に福井県敦賀市まで延びると、東海地方から金沢まで電車で行く人には少し面倒になる。今はJR特急「しらさぎ」が名古屋から金沢まで直通運行するが、これが敦賀止まりとなり、乗り換えが必要になる見込みだからだ。「新幹線が来るとかえって不便」という困った事態にもなりそうで、金沢へ電車で行くなら、今のうちにどうぞ。 (三品信)
▼ガイド 「黒門小路」は(電)076(260)2195。菓子や海産物など買い求めた品を、そのまま店頭から宅配便で送れるので便利です。元日など「金沢エムザ」がお休みの日は、こちらもお休み。「オヨヨ書林せせらぎ通り店」は(電)076(255)0619。月曜定休。「金沢 焼肉きたじま」は(電)076(225)8029。不定休で、全席禁煙です。
(中日新聞夕刊 2022年10月27日掲載)