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【富山】亡父丹精の炭 アートに 五箇山出身・江向さん個展

ジャンル・エリア : 展示 | 甲信越 | 芸術  2022年11月28日

江向尚美さんの作品が並ぶ会場=砺波市太郎丸のとなみ散居村ミュージアム民具館で

江向尚美さんの作品が並ぶ会場=砺波市太郎丸のとなみ散居村ミュージアム民具館で

砺波で43作品展示「残してくれた黒の美しさ感じて」

 南砺市・五箇山出身の造形作家、江向尚美さん(65)=富山市=の個展「江向尚美造形展 静寂 大自然の恵みに感謝して…」が、砺波市太郎丸のとなみ散居村ミュージアム民具館で開かれている。江向さんの父親が生前に焼き残した炭を生かした作品が並ぶ。来年3月5日まで。 (広田和也)

 かつて炭焼きなどをしていた父の故栄太郎さんが残した炭をアート作品に生まれ変わらせ、炭の美しさと、脱臭・調湿効果などの有用性を知ってもらおうと企画した。

 作品は43点でタイトルはすべて「静寂」。クヌギやマツボックリ、ハス、竹などの炭を大小さまざまな箱の中に詰めたものや、輪切りしたクヌギの炭を円につなげたものが並ぶ。クヌギやマツボックリの炭は、まるで花のような美しさを感じさせる。

 江向さんは学生時代に油絵を始め、現在まで造形や陶芸などの創作活動を40年以上続けている。

クヌギやマツボックリの炭を詰め込んだ作品

クヌギやマツボックリの炭を詰め込んだ作品

 作品のほか、イグサを編んだ虫かごや竹とんぼなど、江向さんが子ども時代に五箇山で遊んでいた遊具や、実家の繭玉作りで使われていた糸巻きを使ったあんどんなども展示。江向さんは「父が残してくれた炭という黒の世界の美しさと、先人たちの知恵を感じてほしい」と話した。

 作品の一部は販売もしている。12月11日午前10時~午後3時に、飾り炭を作るワークショップ(材料費1個1000円)を催す。開館時間は午前9時~午後6時(入館は午後5時半まで)。水曜と第3木曜、年末年始が休み。入館料は高校生以上100円。