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【石川】世界中の作品に見応え 能登島ガラス美術館で巡回展

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川 | 芸術  2022年12月16日

国内外作家の入賞、入選作品53点が紹介されている国際ガラス展金沢の巡回展

国内外作家の入賞、入選作品53点が紹介されている国際ガラス展金沢の巡回展

 「国際ガラス展・金沢2022in能登島」が、七尾市の県能登島ガラス美術館で開かれ、来場者が国内外の作家によるガラス素材の造形作品の最新動向の一端を堪能している。来年2月12日まで。

 国際ガラス展・金沢は1984年に始まり今回が15回目。より多くの人が楽しめるようにと2004年の9回目から同館でも巡回展を開いている。今回は37の国や地域から計315点の応募があり、審査で14の国や地域の53点が入賞、入選。「世界のガラス・シーンの今を展望する」をテーマに同館ではこの53点を紹介する。

 会場に入り最初に目に入るのが大賞を獲得した田中里姫(さき)さんの「切々、憧憬(しょうけい)」。吹きガラスとスランピング、火切りの技法を用いて、大きさと形、色が少しずつ違う3種類のガラスの器を、小中大の順に外側へ包むような構造が印象的で独特の存在感と見栄えを演出している。向かって右隣には金賞の磯谷晴弘(いそがいあきひろ)さんの「泉185469」。鋳込みと削り、研磨により鮮やかな透明のブルーの立方体に近いガラス造形の中に黒っぽいの不規則なデザインが見え目を引く。

独創的な作品がずらりと並ぶ会場=いずれも七尾市の県能登島ガラス美術館で

独創的な作品がずらりと並ぶ会場=いずれも七尾市の県能登島ガラス美術館で

 他にもユニークで独創的な作品がずらり。奨励賞になったイスラエルのシーダーバウム・ミカルさんとドーヴァー・ノアムさんの作品は、すべて同じサイズで同じ淡いブルーの小さな薄い板状の透明ガラスが横に11枚ずらりと等間隔で並び、一枚一枚に人の形の造形が見える趣向。固まりとして一つの作品が多い中で異彩を放っている。

 同館は午前9時~午後4時半(入館は午後4時まで)、29日~来年1月1日と毎月第3火曜が休館。入館料は高校生以上800円、中学生以下無料など。(問)同館=0767(84)1175

 (室木泰彦)