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【長野】世界の素晴らしさ紹介 絵本「まちんと」原画展も 安曇野ちひろ美術館

ジャンル・エリア : 展示 | 甲信越 | 芸術  2023年03月09日

絵本「ようこそ森へ」を手に、その作品(後方)を紹介する担当者。描かれたカケスから自然の素晴らしさを学べる

絵本「ようこそ森へ」を手に、その作品(後方)を紹介する担当者。描かれたカケスから自然の素晴らしさを学べる

 松川村の安曇野ちひろ美術館で、館コレクション展「なんて世界は素晴らしいのだろう」と、新規収蔵作品の小企画展「司修(つかさおさむ)『まちんと』」が開かれている。5月28日まで。

 「なんて世界は―」は、戦争や格差、貧困、環境破壊などの問題を多々抱える世界の中でも「素晴らしいこと」はたくさんあることを、10カ国の画家12人の作品71点を3つのキーワードに分けて紹介する。

 その1つ「自然のなかで」は、人間も自然の一部であると思い出させる絵本を集めた。岐阜県生まれの村上康成さんの「ようこそ森へ」は、1羽のカケスの視点から森を描いた作品。カケスはキャンプに来た家族に森の魅力を伝えようとするが、その声は届いているのか―。物語を通じて、あらゆる命の根源である自然の素晴らしさを伝える。

 他に、森で仲間のいなかった鳥と魚が友達になるユゼフ・ヴィルコンさん(ポーランド)の「いっしょにいたらたのしいね」、おばけが人を助け、子どもや大人とも仲良くなる武建華さん(中国)の「舌ながばあさん」なども展示。来館者に「素晴らしい世界をつくるためには何ができるか」など鑑賞後の思いを書いてもらい、ガーランドとして飾っている。館担当者は「世界を見つめ直すきっかけになれば」と話している。

絵本「まちんと」の原画作品。女の子とヒマワリの花が描かれ、原爆投下が暑い夏の晴れた日であることが伝わってくるという=いずれも松川村の安曇野ちひろ美術館で

絵本「まちんと」の原画作品。女の子とヒマワリの花が描かれ、原爆投下が暑い夏の晴れた日であることが伝わってくるという=いずれも松川村の安曇野ちひろ美術館で

 小企画展は、ヒロシマで被爆した女の子が主人公の絵本「まちんと」のために司修さんが描き、同美術館に新たに収蔵された原画全18点を初めて公開している。(問)同美術館=0261(62)0772

 (逢沢哲明)