ジャンル・エリア ： 富山 | 展示 | 工芸品　 2023年05月31日

銅像の原型の（右から）サザエさん、長谷川町子さん、いじわるばあさん

オープン企画「原型展」

　高岡市戸出栄町の鋳物メーカー「平和合金」は、高岡鋳物発祥の地とされる同市金屋町で開設したギャラリー「Ｇａｌｌｅｒｙ陽峯（ようほう）」で、オープン企画展「鋳物の原型展」を開いている。長谷川町子記念館（東京都）に設置されているサザエさん像など同社が制作した銅像の原型を展示している。６月２０日まで。（武田寛史）

　企画展では、長谷川町子美術館の協力により、記念館で展示しているサザエさん、サザエさんの作者の長谷川町子さん、いじわるばあさんの銅像の原型３体を展示。ほかにも高岡市万葉歴史館に設置している大伴家持像と坂上大嬢（さかのうえのおおいらつめ）像や天灯鬼、文殊菩薩（ぼさつ）などの原型が並ぶ。

　展示している原型は繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）樹脂型や木型、粘土型、石膏（せっこう）型など。同じ原型から何度も鋳造するために強度の高い金属の原型を作る「種型（たねがた）」も紹介している。

　聖徳太子像の原型から鋳型を作る工程展示もあり、粘結剤を加えた砂型をガスで硬化させて鋳型を作るガス型鋳造を解説している。同社の商品や作家の作品の販売コーナーもある。

大伴家持像と坂上大嬢像の原型（手前の２体）なども並ぶ＝いずれも高岡市金屋町で

　同社は金屋町からスタートして創業１２０年以上の歴史があり、銅像やモニュメント、神仏具など大型鋳物を鋳造している。次世代に鋳物をもっと知ってもらうため、古民家を改修したギャラリーを４月末にオープンした。

　担当の藤田恵子取締役は「鋳物の原型という切り口で、鋳物や高岡鋳物発祥の地の金屋町を知ってほしい。ギャラリーでは今後、鋳物やアートに関する企画やワークショップを展開していきたい」と話す。

　開館時間は午前１１時～午後７時。水曜休館。