ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史 | 芸術 2023年09月20日
歌川広重の貴重風景画など
高岡市博物館の特別展「浮世絵に描かれた加越能~佐伯コレクションの世界~」が同博物館で開かれている。10月9日まで。入館無料。
浮世絵収集家の佐伯孝夫さん(75)=同市福岡町下蓑新=のコレクションから越中(富山県)、加賀・能登(石川県)に関わる相撲絵、風景画、人物画の合計約70点を紹介している。
相撲絵は、三代歌川豊国が戸出(現在の高岡市)出身の江戸時代の力士、階ケ嶽(かいがたけ)龍右衛門(1817~68年)を描いた浮世絵や、石川県出身の雷電震右衛門などを描いた画が並ぶ。
風景画では、富山県関連では初代歌川広重の「山海見立相撲」の「越中古国府湊」と「越中立山」の同時展示は初めて。石川県関連では初代歌川広重の「六十余州名所図会」から「加賀 金沢八勝之内蓮湖(れんこ)之漁火(いさりび)」と「能登 瀧(たき)之浦」などが並ぶ。人物画には、歌川国芳の「名高百勇伝 源義仲」や三代歌川豊国の「古今名婦伝 加賀の千代」などもある。
同博物館の宇川恵里さんは「浮世絵から当時の風景や風俗がうかがえる」と指摘。佐伯さんは「広重の山海見立相撲の越中古国府湊と越中立山の2枚は貴重な山田屋版で2枚並びの展示は初めて。加賀、能登に関連する相撲絵や風景画も多くあり、石川県の人にも見てほしい」と呼びかけている。
佐伯さんの展示説明会は10月7日午後2時から。受講料は無料。
開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館。 (武田寛史)