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【石川】屛風の輝き 春彩る 金箔工芸館・所蔵20点展示

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川 | 芸術  2023年04月18日

金箔を生かした江戸期の屛風などが並ぶ春季展

金箔を生かした江戸期の屛風などが並ぶ春季展

古典的描写や独自模様並ぶ

 金沢市東山一の市立安江金箔(きんぱく)工芸館で、金を使った江戸後期から現代までの美術工芸品を集めた春季展「春を彩る美術工芸」が開かれている。変質が少ない安定した金属として昔から重宝される金は、金箔や金粉、金泥などに加工され、絵画や彫刻、漆芸、金工、染織など幅広い分野で活用される。こうした金と金箔の魅力を紹介しようと所蔵品約300点の中から20点を選んだ。6月18日まで。 (室木泰彦)

 江戸期の京都の名所と行き交う人々を伝える「洛中洛外図屛風(らくちゅうらくがいずびょうぶ)」は、狩野派の古典的描写を得意とした福井出身の絵師、岩佐勝重作。落ち着いた色調だが、下部に金箔片を散らし彩りと優雅さを加えた表現が味わえる。対のように展示される金箔屛風「時を纏(まと)う」は、金沢を拠点に活動する現代美術作家の山本基(もとい)さんが昨年に制作。大胆で迫力ある表現と鮮明な色使い、現代アートのような独自模様を加え金箔の存在感も際立たせている。山本さんの作品展示は5月7日まで。

現代アート風の大胆な模様と色使いが楽しめる山本基さんの金箔屛風=いずれも金沢市立安江金箔工芸館で

現代アート風の大胆な模様と色使いが楽しめる山本基さんの金箔屛風=いずれも金沢市立安江金箔工芸館で

 他にも和紙に金、銀箔を裏張りし裁断した金銀糸を使った能装束の唐織、金沢出身の作家室生犀星の詩「忘春」などを書した巻子(かんす)などがあり、いずれも金箔などで優雅な雰囲気を醸す。

 同館は午前9時半~午後5時(入館4時半まで)。火曜休館(祝日の場合は翌平日)。入館料は一般310円、65歳以上210円など。(問)同館076(251)8950