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【岐阜】高山・久々野の農園から作り手つなぎ、飛騨を一つに 久々野のりんごでアップルパイ、丹生川で販売

ジャンル・エリア : グルメ | 岐阜 | 果物 | 特産  2023年11月28日

アップルパイを紹介する谷口さん(左)と垣内さん(中)、寺田さん

アップルパイを紹介する谷口さん(左)と垣内さん(中)、寺田さん

 地元産の果物から「そこでしか手に入らないお菓子」を作り、飛騨の各地を訪れてもらおうと、もだに農園(高山市久々野町)が他事業者と連携した新たな取り組みを始めた。第1弾は「点と点をつないでいくアップルパイ」。同農園の谷口亮介理事(50)は「飛騨は一つ。同じ思いの作り手をどうにか線でつなぎたい」と思いを込める。 (北川鈴乃)

 高山市街地を起点に、北が飛騨市古川町、西が高山市荘川町、東が同市丹生川町、南が同市久々野町。この4地域にある道の駅や販売所などと連携し、2カ月ごとに各店にこだわりの限定商品を提供する構想を描く。販売するのは、同農園のとれたての果実で作る焼き菓子。あえてオンライン販売はせず、菓子を置く店舗まで足を運んでもらうことで、それぞれの地域に人を呼ぼうともくろむ。

 背景には、高山市街地に集まりがちな観光客を、周辺部にも広げていきたいという思いがある。「周りにもおいしいものがたくさんある。おいしいものを投下することで、それを知ってほしい」と谷口さんは話す。

第1弾のアップルパイ。パイの形も4方角をイメージしている=いずれも高山市丹生川町で

第1弾のアップルパイ。パイの形も4方角をイメージしている=いずれも高山市丹生川町で

 初回となる11、12月は、農産物の生産、加工をする寺田農園が営む「飛騨寺田屋」(丹生川町)で、アップルパイを販売。通常のアップルパイとは違い、リンゴを煮ずに砂糖をまぶして焼くことで、酸味や食感をより強く感じられる。もだに農園の就農3年目の若手、垣内紬希さん(20)が一つずつ手作りする。

 寺田農園の寺田真由美社長(47)によると、もだに農園の常連客が買いに来たり、偶然車で通った遠方からの人が寄ってくれたりと、新たな客を取り込むきっかけになっているという。「店同士がお互い応援しあうことで、お客さんも広がっていけば」と事業者間の相乗効果に期待を見せる。

 飛騨寺田屋では、「点と点をつないでいくアップルパイ」(1個432円)を毎週土曜に30個限定で、12月下旬まで販売する。