ジャンル・エリア ： 展示 | 愛知 | 自然 | 芸術　 2023年12月06日

牧野富太郎からの手紙が並ぶ企画展＝西尾市亀沢町の市岩瀬文庫で

　日本の植物分類学の草分けで、植物学者の牧野富太郎（1862～1957年）の手紙などを紹介した企画展「植物への恋文　本草書から牧野富太郎の手紙まで」が、西尾市亀沢町の市岩瀬文庫で開かれている。来年2月12日まで。無料。

　牧野が、同市出身の植物研究者、名倉誾一郎（ぎんいちろう）（1860～1930年）に宛てた手紙や東京都立大牧野標本館の植物標本、牧野が著した「原色野外植物図譜」など60点を展示。牧野が精密に描いた植物図の写真パネルや愛読していた「植学啓原（けいげん）」なども並べた。

　名倉が送った植物標本を鑑定した牧野からの回答書では、小笠原諸島にあると考えられていたハギクソウが、本土でも見つかったのは「面白い」と指摘。「植物学雑誌に掲載しましょう」と勧めている。名倉からの手紙では、牧野が薦めた参考書をさっそく取り寄せて勉強に励んでいることが報告されており、親密な関係性がうかがえる。

　担当した上野加耶子学芸員は「植物への愛が詰まった2人の交流に着目してほしい」と話した。

　上野学芸員による展示解説は来年2月10日午後1時半から、同館である。予約不要。原則月曜と第3木曜、年末年始が休館。

　（問）同館＝0563（56）2459

　（角野峻也）